アパートを相続したくない…そのときの対処方法5選|揉めずに手放す考え方
「親のアパート、できれば相続したくない」
そう感じるのは、決して珍しいことではありません。
築古で空室が多い、修繕費がかかる、借入が残っている…。
相続した瞬間から“経営者”としての責任が発生するため、将来の不安が膨らむのも当然です。
この記事では、相続したくないアパートの典型パターンと、揉めずに解決するための対処法5選を、わかりやすくまとめます。
1. 「相続したくない」と言われやすいアパートの特徴
まずは、なぜ“引き継ぎたくない”と思われるのかを整理しましょう。
築年数が古く、空室が多い
家賃が下がっているうえに、修繕が追いついていないケースも多く、
収入より支出が上回ることがあります。「赤字経営を引き継ぐ」イメージになりやすい代表例です。
借入金が多く、返済が重い
家賃収入で返済がまかなえないと、毎月持ち出しが発生します。
さらに、売却してもローン残債が多くて売れない(オーバーローン)場合もあり、身動きが取りづらくなります。
遠方にあって管理が大変
トラブルが起きたときに現地対応が必要になることも。
遠方物件は、心理的にも実務的にも負担が大きくなります。
入居者・建物トラブルを抱えている
騒音・ゴミ出し・クレームなどの入居者トラブルや、
漏水・雨漏り・配管の老朽化など建物トラブルがあると、相続後の負担は一気に増えます。
そもそもアパート経営に関わりたくない
親の苦労を見てきたことで、「自分は絶対やりたくない」と感じる人もいます。
特に自主管理だった場合は、この傾向が強いです。
2. アパートを相続したくないときの対処方法5選
ここからが本題です。状況に応じて、選択肢は大きく5つあります。
対処法① 相続が起きる前に“手を打つ”
実はこれが一番スムーズになりやすいです。
相続が起きると、問題のあるアパートでも「土地+建物」は財産として評価され、相続税の対象になることがあります。
一方、相続前に売却や整理をしておけば、負担を減らせる可能性があります。
・売却して現金化しておく
・建替えや整理(解体など)を検討する
・収益改善できるなら早めにリフォーム判断する
「相続してから考える」より、「相続前に方針を決める」ほうが選択肢が多くなります。
対処法② 欲しい人に相続してもらう(遺言 or 遺産分割)
相続人の中に「アパートを引き継ぎたい人」がいるなら、
その人が単独で相続できるように調整するのが現実的です。
方法は主に2つ。
・遺言書:親の意思で分け方を指定
・遺産分割協議:相続人全員で話し合って決める
誰が何を引き継ぐかは、曖昧なままだと揉めやすいので、早めに方向性を作るのがコツです。
対処法③ 相続したら“早めに売却”する
相続したくない人が多い場合、相続後に売って現金化するのは有力です。
ただし注意点もあります。
・築古やトラブル物件は売却価格が下がりやすい
・市場で買い手が見つかりにくいことがある
売れにくい場合は、**不動産会社の「買取」**も選択肢です。
相場より安くなる傾向はありますが、
・早く手放せる
・買主探しが不要
・周囲に知られにくい
というメリットがあります。
対処法④ 相続放棄をする
「そもそも引き継ぎたくない」「赤字や借金が怖い」場合は、相続放棄も候補になります。
ただし、相続放棄は強力な制度ゆえに注意が必要です。
注意点1:アパートだけ放棄はできない
相続放棄をすると、預貯金など他の財産も一切相続できません。
注意点2:期限は3カ月以内
「相続人になったことを知った日から3カ月以内」に家庭裁判所へ申立てが必要です。
注意点3:親族トラブルになりやすい
自分が放棄すると、次の順位の親族へ相続権が移るため、事前の共有が望ましいです。
注意点4:相続財産を勝手に処分しない
処分行為があると「単純承認」とみなされ、放棄できなくなることがあります。
対処法⑤ 「相続土地国庫帰属制度」を検討する(ただし条件あり)
不要な土地を国に引き取ってもらえる制度もありますが、ポイントはここです。
・対象は 土地のみ
・建物(アパート)があると対象外
つまり、この制度を使うなら、原則として
建物を取り壊して更地にしたうえで、要件を満たす必要があります。
相続放棄と違い、「特定の土地だけ手放せる」のはメリットですが、
審査手数料・負担金など費用もかかるため、現実的に使えるかはケース次第です。
まとめ|「相続しない」には、早めの整理がいちばん効く
相続したくないアパートには、たいてい理由があります。
・築古で空室が多い
・借入が重い
・遠方で管理が大変
・トラブルを抱えている
・そもそも経営したくない
そして解決策は、主にこの5つです。
・相続前に対策(売却・整理)
・引き継ぎたい人に相続してもらう
・相続後すぐ売却(難しければ買取も)
・相続放棄(期限・影響に注意)
・土地国庫帰属制度(土地のみ/要件あり)
アパート相続は「感情」と「お金」と「親族関係」が絡むテーマです。
迷ったら、税理士・司法書士・不動産会社などに早めに相談し、
選択肢を整理しておくと、揉めずに進めやすくなります。
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