相続における寄与分とは?認められる条件と特別寄与料について


相続における寄与分とは?認められる条件と特別寄与料について

相続で、他の相続人よりも多くの遺産を受け取る可能性がある場合があります。それは、故人(被相続人)の財産を守ったり増やしたりする手助けをしていた場合です。本記事では、「寄与分」について、その条件と特別寄与料との違いをわかりやすく解説します。



相続における「寄与分」とは?

寄与分とは、被相続人の財産を増やすために特に貢献した相続人に対して、通常の相続分以上に遺産を分けることを指します。通常、遺言書がない場合、遺産は法定相続分に基づいて分けられます。しかし、介護や家業の手伝いなど、特別な貢献をしてきた場合、法定分配だけでは不公平に感じることがあります。そういった場合に、「寄与分」が認められ、貢献した相続人にはそれを反映した遺産分配が行われます。

寄与分を受け取るには、以下の3つの方法で請求できます。


  1. 1.相続人同士で話し合い 
  2. 相続人同士で遺産分割を協議し、寄与分を決める方法です。手続きが簡単で短期間で解決できますが、知識がないと話し合いが難航することがあります。

  3. 2.家庭裁判所の調停を利用
  4. 調停では裁判所が間に入るため、公平な話し合いが進みやすくなります。しかし、手続きには時間がかかり、裁判所に足を運ばなければならない点に注意が必要です。

  5. 3.家庭裁判所の審判を利用 調停が成立しなかった場合、審判手続きが行われます。審判には強制力があり、公正な判断が下される可能性が高いですが、手続きが複雑で時間もかかります。



寄与分が認められる条件

寄与分を認められるには、以下の5つの要件を満たす必要があります。

  1. ・相続人であること
  2. ・財産の維持や増加に貢献したこと
  3. ・期待以上の「特別な貢献」であること
  4. ・無償またはほぼ無償の貢献であること
  5. ・継続的に貢献してきたこと

特に重要なのは「特別な貢献」です。日常的な世話や簡単な手伝いではなく、

被相続人の事業や介護を無償で支援するような大きな貢献が必要です。

また、貢献が無償であり、長期間にわたることが求められます。



寄与分が認められる5つの主な貢献例

  1. 事業従事型: 事業運営や手続きの支援
  2. 金銭出資型: 不動産購入や事業の資金提供
  3. 療養看護型: 介護や療養支援
  4. 扶養型: 日常生活に必要な資金援助
  5. 財産管理型: 財産の管理・運営支援




寄与分の時効

202341日の民法改正により、寄与分を請求できる期間は相続開始から10年以内と定められました。10年を過ぎると寄与分は考慮されず、遺産は法定相続分に従って分けられます。寄与分を請求したい場合は、早めに行動することが重要です。



特別寄与料とは?寄与分との違い

特別寄与料は、相続人ではない親族が被相続人に対して特別な貢献をした場合に支払われるお金です。特に、相続人以外の親族が介護を行った場合に適用されます。例えば、義理の娘が長期間にわたり親を介護していた場合などです。


特別寄与料が導入された背景あ

以前は、寄与分を請求できるのは相続人だけでした。しかし、実際には相続人以外の親族が多く貢献しているケースも多く、2019年に民法が改正され、相続人以外の親族も特別な貢献をした場合に特別寄与料を請求できるようになりました。


特別寄与料を請求するための条件

特別寄与料を請求するには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 1.無償で療養や看護を提供したこと
  2. 2.相続人以外の親族であること
  3. 3.財産の維持や増加に特別な貢献をしたこと

証拠として、介護の記録や財産管理の証拠が必要です。



特別寄与料を主張できる親族

特別寄与料を請求できる親族は、以下の範囲に該当する人々です。

  • 6親等内の血族
  • 配偶者
  • 3親等内の姻族

例えば、義理の兄弟姉妹や義理の両親などです。しかし、内縁の妻や夫は法律上の配偶者とみなされないため、特別寄与料を請求することはできません。


特別寄与料の注意点

特別寄与料は無償で提供した療養看護などの労務に限られ、金銭の出資や資金提供は認められません。また、請求期限は相続開始から1年以内、または相続の開始を知った日から6か月以内です。期限を過ぎると請求できなくなるので注意が必要です。また、特別寄与料を受け取ると、相続税が2割加算されます。




まとめ

寄与分は、遺産の増加に特別な貢献をした相続人が法定相続分より多く遺産を受け取るための制度です。寄与分が認められるためには、期待以上の貢献であること、無償またはほぼ無償の行為であること、長期間にわたる貢献が必要です。相続人以外の親族も特別な貢献をした場合には、特別寄与料を請求できます。

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