大雨のあとに確認したい住宅の異変とは?見えにくい浸水被害にも注意
大雨による住宅被害と聞くと、「床上まで水が入った」「屋根が壊れた」といった、目に見えてわかる被害を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし注意したいのは、雨が止んで水が引いたあとです。
一見すると大きな被害がないように見えても、数日経ってから壁にシミが出たり、床が浮いたり、カビの臭いがしたりすることがあります。
大雨のあとは、普段とは違う小さな変化を見逃さないことが大切です。
今回は、大雨のあとに住宅のどこを確認すればよいのか、見えにくい浸水被害のポイントとあわせてご紹介します。
※浸水した住宅に入る場合は、周囲の安全や電気設備などを十分に確認してください。建物の傾きや漏電などの危険が考えられる場合は、無理に立ち入らず専門家へ相談しましょう。
まずは「どこまで水が来たのか」を確認する
大雨のあとに最初に確認したいのは、水がどこまで入り込んだのかです。
床上・床下浸水だけでなく、
・玄関まわり
・床下
・基礎部分
・外壁の下部
・押入れや収納の内部
・車庫や物置
・給湯器などの屋外設備
にも目を向けてみましょう。
なかでも注意したいのが床下です。
室内に水が入っていなくても、床下だけ浸水しているケースがあります。床下に水分が残った状態が続くと、湿気やカビ、木材の腐朽などにつながる可能性があります。
目に見える泥や汚れを取り除くだけでなく、十分に乾燥させることも重要です。
壁や天井に新しいシミがないか
大雨の直後には異常が見当たらなくても、数日後になって壁や天井にシミが現れることがあります。
原因として考えられるのは、
・屋根からの雨漏り
・外壁からの雨水の侵入
・窓やサッシまわりからの吹き込み
・建物内部に入った水が別の場所まで流れている
といったものです。
ここで気を付けたいのは、シミがある場所と、実際に水が入った場所が同じとは限らないことです。
雨水は天井裏や壁の内部を伝って移動するため、侵入口から離れた場所にシミが現れることもあります。
小さなシミであっても、
・徐々に広がっていないか
・壁紙が浮いたり剥がれたりしていないか
・天井がたわんでいないか
・触ったときに湿っていないか
などを確認しておきましょう。
床の浮きや膨らみ、きしみにも注意
大量の水や湿気は、床にも影響を与えることがあります。
大雨の前と比べて、
・床がきしむようになった
・一部分だけ沈む感じがする
・フローリングが膨らんでいる
・床材の継ぎ目が浮いている
・ドアや引き戸が開閉しにくくなった
といった変化がないか確認してみましょう。
床材そのものが水分を吸収して膨張していることもあれば、床下の下地材に水分が残っている場合もあります。
また、建具の開閉が悪くなった場合は、湿気で木材が膨らんだだけのケースもありますが、建物の一部に変化が起きている可能性もあります。
一つの症状だけで重大な問題とは判断できませんが、「大雨の前にはなかった変化かどうか」を意識して確認することが大切です。
基礎や外壁、敷地の状態もチェック
大雨のあとは、室内だけでなく建物の外側も確認しましょう。
特に見ておきたいのは、
・基礎に新しいひび割れがないか
・外壁にひび割れや剥がれがないか
・建物まわりの土が流されていないか
・地面が沈んでいる場所がないか
・擁壁やブロック塀に傾きやひび割れがないか
といった点です。
大量の雨によって地盤に水が含まれると、土が流されたり、地面が緩んだりすることがあります。
住宅そのものだけを見るのではなく、敷地全体に以前との違いがないか確認してみましょう。
なお、傾いた擁壁やブロック塀、崩れかけた斜面などには近づかないようにしてください。
雨どいや排水設備の詰まりも確認
大雨の際には、大量の落ち葉や泥、ゴミが雨どいや排水口へ流れ込みます。
そのまま詰まってしまうと、次の雨で水が正常に流れず、外壁や軒裏などに雨水が回る原因になることがあります。
大雨のあとには、
・敷地内に水たまりが残っていないか
・排水口の水が流れにくくなっていないか
・庭の一部だけぬかるみが続いていないか
・雨が止んでもなかなか水が引かない場所がないか
なども確認しておきましょう。
ただし、屋根に上ったり、高い位置にある雨どいを自分で確認したりするのは危険です。
高所の点検や修理は、専門業者へ依頼することをおすすめします。
浸水した場合は電気設備に特に注意
浸水した住宅で最も慎重に扱いたいものの一つが、電気設備です。
コンセントや分電盤、配線、屋外設備などが水に浸かっていた場合、表面が乾いていても安全とは限りません。
内部に水分が残っていると、漏電や感電、火災などにつながる可能性があります。
「もう乾いているから大丈夫だろう」と自己判断で電源を入れるのではなく、浸水した可能性がある場合は電気工事店などの専門家に確認してもらうと安心です。
特に、分電盤やコンセント付近まで浸水した場合は慎重に対応しましょう。
カビっぽい臭いも見逃さない
目では異常が確認できなくても、「いつもと違う臭い」が住宅の異変を知らせてくれることがあります。
例えば、
・カビのような臭い
・床下からする湿った臭い
・押入れや収納内の異臭
・壁の中から感じるような湿気の臭い
などです。
家具や荷物を動かしてみると、裏側の壁や床にカビが発生していることがわかるケースもあります。
大雨のあとに臭いの変化を感じた場合は、室内だけでなく床下や収納など、湿気がこもりやすい場所も確認してみましょう。
被害状況は写真や動画で残しておく
住宅に被害や異変が見つかった場合は、安全を確保したうえで写真や動画を残しておくことも大切です。
記録しておきたいものとしては、
・水が入った高さ
・壁や床のシミや膨らみ
・外壁や基礎の損傷
・敷地内に流れ込んだ泥や土砂
・壊れた住宅設備
・雨漏りの跡
などがあります。
その後の修理や保険の手続きで、被害状況を確認する資料として役立つ場合があります。
ただし、写真を撮るために危険な場所へ入る必要はありません。
浸水した床下や屋根、傾いた塀や擁壁などには近づかず、安全な場所から記録できる範囲にとどめましょう。
「今まで大丈夫だったから」は通用しないことも
長く住んでいると、
「これまで一度も浸水したことがないから、この家は大丈夫」
と考えてしまいがちです。
しかし、雨の降り方や土地の使われ方、周辺環境は時間とともに変化します。
これまで被害がなかった場所でも、想定を上回る大雨によって被害が発生する可能性があります。
大雨を経験したあとは、
「実際にどこまで水が来たのか」
「敷地のどこに水がたまったのか」
「周辺道路ではどのような状況だったのか」
といった情報を確認しておくと、次の災害への備えにつながります。
ハザードマップと実際に起きた状況を照らし合わせながら、住宅の排水、雨どい、床下、外壁、敷地の高低差などを改めて確認しておくのもよいでしょう。
大雨のあとは時間を置いてもう一度確認しよう
大雨による住宅被害は、雨が止んだ時点ですべて分かるとは限りません。
数日から時間が経過してから、
・壁や天井にシミが出る
・カビの臭いがする
・フローリングが浮く
・建具が動きにくくなる
といった異変が現れることもあります。
そのため、大雨直後だけでなく、数日後にも住宅の状態を確認してみることをおすすめします。
気になる変化が続く場合は、自分で原因を判断せず、住宅会社や工務店、専門業者などに相談しましょう。
まとめ
大雨の被害は、床上浸水や屋根の破損など、すぐに分かるものだけではありません。
床下への浸水や雨漏り、湿気による床材の変化、基礎や地盤の異常など、あとから気付く被害もあります。
大雨のあとには、
・床下や収納まで水が入っていないか
・壁や天井にシミがないか
・床や建具に変化がないか
・基礎や外壁、敷地に異常がないか
・排水設備に詰まりがないか
・カビや湿気の臭いがしないか
など、「雨の前と何か変わっていないか」という視点で確認してみましょう。
そして何より、安全を最優先にすることが大切です。
大雨への備えは、特別な設備を用意することだけではありません。普段から住宅の状態を知り、異変に早く気付けるようにしておくことも、大切な災害対策の一つです。
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